Chapel Concert Series 2018 vol.4

チャペルコンサートシリーズ vol.4
2019年3月16日 (土)14時開演(13時30分開場)
オルガン:佐川 淳
Program
灰色の雲  オルガン編      【フランツ・リスト】 
Nuages Gris (1880)  / Franz Liszt (1811-1886)
アランの名による前奏曲とフーガ【 モーリス・デュリュフレ】
Prélude et Fugue sur le nom d’Alain (1940)  
                                          / Maurice Duruflé (1902-1986)
われらの主、イエス・キリストの変容の主日に  オルガン編                                                              【 F. リスト】
In festo transfigurationis Domini nostril Jesu Christi (1881)
                                                         / Franz  Liszt
『キリストの昇天』      【オリヴィエ・メシアン】
  III.「 キリストの栄光を自らのものとした魂の歓びの高まり」
    IV.「父のみもとへ帰るキリストの祈り」   
L'Ascension  (1934)  / Olivier Messiaen (1908-1992)
     Ill.  Transports de joie d’une âme devant la Gloire du Christ                      qui est là semé
     Ⅳ. Prière du Christ montant vers son Père 
   
『時間のフォルム』       【ドミニク・ズステック】
      III. 時間
 Zeitfiguren  (2014)          / Dominik Susteck (1977*)
      Ill. Zeit
 
前奏曲とフーガ ロ短調 BWV544 【 ヨハン・セバスティアン・バッハ】
Präludium und Fuge h-Moll BWV544 / Johann Sebastian Bach (1685-1750)

 

時代をまたぐロマン 〜バッハから現代まで〜
2018年度のシリーズ最終回は、オルガンの近現代作品を中心にしたプログラムです。
オルガン作品でもまだ知名度の低い近現代作品は、演奏すると「難しい!」という
リアクションが多いものです。
実際のところ近現代は「難しい」のか!?
個人的には、近現代作品に「ロマンティックさ」を感じることが多く、それはバッハの作品からしばしば
感じるパッションやロマンティックさに似ているように思います。
21世紀に生きる私たちの「ロマン」の感覚って、こういうところなのでは?
今回はロマン派の代表的な作曲家フランツ・リストが最晩年に書いた、
当時かなり前衛的であったと思われる無調的なピアノ作品を
プログラムのアクセントとしてピックアップしています。
後に19世紀末以降フランスで多用された様々な旋法に繋がる作風であったのですが、
20世紀のフランスの作品と並べてみるとリストの作品が煌めいて見えます。
メシアンがリズムやスパークするような和声で揺さぶりかける一方、ズステックの
「時間」はオルガンの音色を通して時間の感受とその多様性を私たちに示してくれます。
息をひそめるように収束する作品の後にプログラムはバッハに戻り、
それはシリーズの初回のテーマに戻っていくことも示唆します。